「ビーフンは、私の中にはなかった食材。だから世界が広がった」
そう言って目を輝かせる、ステファン・パンテル シェフ。
茹で時間や加熱法により、表情をガラリと変えるビーフンの特長に着目。
さらに、日本とフランスの食文化をクロスオーバーさせた
ステファン シェフらしい独創性が光ります。
ビーフンのガレット
昆布と鰹だしで茹でたビーフンを、丸く象り焼き上げたガレットに。
表面はカリッ、中はフワッ…そんなビーフンの異なる食感が楽しく、
和だしの旨みがほんのり広がるソースの滋味や、卵黄コンフィとの味重ねを。
1.5cmのセルクル1個分)
- お米100%ビーフン
- 70g
- 昆布
- 10g
- 宗田鰹
- 30g
- 卵黄
- 1個分
- 菜種油
- 適量
- バター
- 10g
- ジロール茸
- 20g
- ニンニク(みじん切り)
- 少量
- エシャロット、イタリアンパセリ(みじん切り)
- 適量
- 生クリーム
- 60ml
- 牛乳
- 80ml
- カラスミ
- 適量
- 塩
- 適量
※セルクルとは…底のない円形の型のこと。洋菓子はもとより料理にも活用できる。
このレシピで使用した商品
昆布と鰹のだしをひく。1.5ℓの水に昆布を加えひと晩、冷蔵庫で置く。翌日、鍋を中火にかけ、沸騰寸前で昆布を取り出す。そこに宗田鰹を加え強火にかけて2〜3分煮た後、ペーパーなどで濾す。
卵黄コンフィを作る。菜種油に卵黄をそっと入れ、湯煎にかける。65℃の温度帯をキープしたまま1時間煮る。
ビーフンは手で半分に割る。
ビーフンを茹でる。鍋にAの昆布と鰹のだし(750ml)と塩少々を入れて火にかける。沸騰したら、1のビーフンを加えて6分ボイル。その後、ザルにあげて水切りする。
だしで茹でることで、ビーフンに旨みをプラスする。
セルクルの内側の側面に、菜種油を塗る。バットにも適量の油を敷く。
3のセルクルにビーフンをこんもりと盛る。
ビーフンの上に、バット牛乳1ℓパック4本分の重しをのせ、冷蔵庫で2〜3時間プレスする。
鉄板に菜種油を薄く敷き、5のビーフンを置く。蓋をして弱〜中火で13分、蒸し焼きにする。
鉄板がない場合は、テフロンフライパンなどで代用可能。
ビーフンの端が立ってきたら、中火で15分、蓋をしてさらに蒸し焼きにする。仕上がりの目安は、ビーフンの上部が尖り、底には焼き色がついた状態。
ビーフンの底面にバターを当て香り付けをする。セルクルを外しバットなどに移す。
フライパンに菜種油を入れて中火にかけ、食べやすい大きさにカットしたジロール茸を加えて炒める。しんなりしてきたら、ニンニクとエシャロット、バター(小さじ1/2)を加えて香り付け。塩で味を調える。火を止めてイタリアンパセリを散らす。
泡仕立てのソースを作る。2のだし(300ml)を小鍋に移して約10分中火にかける。生クリームと牛乳を加え弱火で5分加熱。熱いままハンドミキサーで撹拌する。
器に8のビーフンを盛り、その上にBの卵黄コンフィをのせる。そのまわりに9を添え、カラスミを削りかける。10の泡仕立てのソースをあしらい完成。
ビーフン・オレ
(お米のプディング「リオレ」をビーフンで)
「リオレ」とはフランスのビストロでもお馴染みのデザートで、米を甘く炊いたライスプティングのこと。
「ビーフンは米100%。だからリオレに合うと思っていましたが、その相性は想像以上!」とステファン シェフ。
味を含みながら、コシのある食感は健在。新感覚のビーフン・スイーツが誕生。
- お米100%ビーフン
- 60g
- 洋梨のコンポート ★1
- 1個分
- 牛乳
- 560ml
- バニラビーンズ
- 1/2本
- グラニュー糖
- 50g
- レモンピール
- 2片分
- 卵黄
- 3個分
- 生クリーム
- 30ml
- ヘーゼルナッツの
キャラメリゼ★2 - 適量
★1 洋梨のコンポート(2個分)
- 洋梨(皮を剥く)
- 2個
- 赤ワイン
- 500ml
- グラニュー糖
- 100g
- シナモン
- 1/4本
- 八角
- 1個
- カルダモン(ホール)
- 1粒
- ナツメグ、ジンジャー(パウダー)
- 各適量
- レモン(汁と皮)
- 1/4個分
- オレンジピール
- 1枚
- アガー(植物性の凝固剤)
- 適量
★2 ヘーゼルナッツのキャラメリゼ
(作りやすい分量)
- ヘーゼルナッツ
- 100g
- グラニュー糖
- 10ml
- 水
- 10ml
このレシピで使用した商品
★1 洋梨のコンポートを作る。鍋に、洋梨、赤ワインをはじめ全ての材料(アガー以外)を加え弱火で20〜30分加熱する。洋梨が柔らかくなれば、煮汁ごとタッパーに移して冷蔵庫で冷やす。洋梨は8等分のくし切りにする。煮汁は煮詰め、アガーを適量加えてとろみをつけ、赤ワインソースとする。
バニラビーンズは半分に割る。包丁の先で種をしごくようにして黒い粒々をさやから取り出す。
★2 ヘーゼルナッツのキャラメリゼを作る。ナッツは200℃のオーブンで5〜8分程度、きつね色になるまでロースト。別の鍋にグラニュー糖と水を加えてシロップ状になるまで加熱。沸騰したらナッツを入れて木べらでしっかり混ぜる。透明だったシロップが白く結晶化。さらに混ぜながら中火で加熱するとキャラメル状に。全体がキャラメル状になれば火から外す。シートの上にナッツを広げて冷ます。
ビーフンは手で4等分に割る。
スプーンを使うデザートなので、口に含みやすいサイズに。
鍋に牛乳、Bのバニラビーンズ、グラニュー糖(30g)、レモンピールを入れて中火にかける。
2が沸騰したら1のビーフンを入れて強火にかける。沸騰したら弱〜中火に落として、沸騰させない程度の温度帯で20分煮込む。途中、5分に1回程度混ぜ、焦げないよう注意する。
ボウルに卵黄、グラニュー糖(20g)を加え、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜたところに生クリームを加える。
4のボウルに3のビーフンを汁ごと加える。混ぜ合わせた後、鍋に移し替え、弱火(80〜85℃程度)で2〜3分熱を通す。
5の卵黄にややとろみがついたら、氷水を張ったバッドの上に置く。ゴムベラなどで混ぜる。もったりと粘りが出てきたなら、ビーフン・オレの完成。
器に6のビーフン・オレを盛り、Aの洋梨のコンポートを添え、赤ワインソースをあしらう。
7にヘーゼルナッツのキャラメリゼを散りばめ、削ったレモンの皮(分量外)を少量振る。